創設4周年の思い – 人類を連敗から救おう!

創設4周年の思い – 人類を連敗から救おう!

 

会長 浅沼 博

 

減災サステナブル技術協会は2022年11月5日で創設4周年です。まだまだ小規模ながら、皆様の熱意ある活発なご指導、ご支援のお陰で、大変有意義な活動を推進して参りました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。当初の目的に沿い、当初の目標に向け進みつつある、と確信しておりますが、この時機を利用し中間報告させて頂きます。以下に、これまでの御報告と今後につき、一部ではありますが記させて頂きます。

当協会では、研究開発部会の準備段階として様々な活動を推進して参りました。その主な活動である減災サステナブル技術関連製品等の社会実装の成果として、当協会が橋渡し役となって実現した津波救命艇シェルターの黒潮町への導入(株式会社ミズノマリン代表水野茂氏のご厚意によるタスカル8の寄贈)および防水設備(三和シヤッター工業株式会社製)の民間マンションへの導入等(当協会の監修、ディレクションによる)が挙げられ、それぞれ欄を改めまして詳しく紹介させて頂きます。

さらに、当協会の強みでもある各種シェルターにつきましては、社会実装のみならず、それらのモバイル化、インテリジェント化等も鋭意検討中で、今後の黒潮町での完全防災実現や防災ツーリズムへの貢献等も視野に入れた活動を強力に進めたく存じます。それら成果の全国や世界に向けた速やかな水平展開により、災害時の犠牲者を極力ゼロに近付けましょう。

また、関連した社会貢献的な事業として、株式会社小野田産業のご厚意とご協力による起震車レンタルに多くのご下命を頂き、新型コロナ禍の影響を受けながらも、大いに盛り上がっております。

当協会で今後注力すべき共同研究開発の推進に関する最近の新たな活動例としましては、材料とその加工や応用、さらには知的材料・構造システムに関連するグループ活動・情報交換会等が挙げられます。鬼怒川ゴム工業、百年住宅、ミズノマリン、小野田産業、スターライト工業、伊勢屋金網工業、吉見製作所、メタルニクス、佐橋工業(モールドプラス)、ジング・プランニングを始めとする高いアクティビティを有する企業群を中心に、研究者の協力も得つつ活動中です。今後は、活動を出来るだけ広範の会員に拡大したく、宜しくお願い申し上げます。

各種イベントに関しましては、日刊工業新聞社主催の防災産業展での役割が年々重みを増し、単なる展示・主催者セミナー実施に留まらず、メインステージでの特別講演や、今年度はより大規模かつ主催者との強力な連携により、新産業開拓、若手インカレッジ、異業種交流促進等々をテーマとした内容で実施する計画であり、当協会の特徴の一つでもある大型プロジェクト構想につきましても、オーシャンランド、神島プロジェクト等々、実践に向けた準備を継続的に進めており、展示会の主力テーマとしてアピール致します。

そして当協会が重要視してきた各種連携の進展につきましては、当協会から積極参加した一般社団法人レジリエンス協会の有志らとの熱意溢れる連携により、褒賞制度(防災・減災×サステナブル大賞であり、欄を改め詳しく紹介)を始めとするハイレベルな協働を実施中です。また、千葉大学に新設された災害治療学研究所とも緊密な関係を構築し、当協会の会員を含めたスマートな協働を複数進めつつあります。

連携先としましては、北日本SDGsスマートアグリ推進フォーラム、まるごと防災、ポリウレア普及協会、日本市民安全学会、日本工学アカデミーを始めとする従来のネットワークの強化と、新たなネットワークとして、プラチナ構想ネットワーク、I-レジリエンス(防災科研関連)、災害レジリエンス共創センター(東北大学)、日本外交協会宮城県支部との連携も進めましょう。さらには、中部地区をコアとした国際救助構想、セレンディクス、テレキューブ等も候補としてコンタクト中です。

国際活動におきましは、昨年の国内シンポジウムへはDr. Ji Su(NASA)およびProf. Antonio Paolozzi(ローマ大学)にオンラインにて参加いただき、英語で熱心に討論しました。今年は記念講演会に、Dr. Su、Prof. Paolozziに加え、Prof. Nejhad(ハワイ大学)、Prof. Felli(ローマ大学)、Prof. Aimmanee(モンクット王工科大学)、Prof. Vendittozzi(ブラジリア大学)、Dr. Paris(フェルミ研究所))がオンラインで参加し、ご自身のこれまでの国際協働の成果紹介と今後への力強いメッセージ等も頂きました。また、今年からはISOの核シェルター関連ワーキンググループに参加しています。

以上の活動や成果の多くが、日刊工業新聞に素晴らしい多数の記事として掲載され、この場をお借りして同社の関係各位に厚く御礼申し上げます。また、読売新聞、朝日新聞(WEB論座)への掲載、さらにはラジオ川越でのトークとその後の親身のお付合いに対しても、心より御礼申し上げます。

技術交流会議の運営も進めておりますが、最近では殆どがオンライン化しているものの、これまで多数主催し、会員同士、会員と外部組織、自治体の防災関連部署、企業の経営陣、政治家、マスコミ、アーティスト等、様々な業界・ジャンルの方々との情報共有や情報交換、ブレーンストーミング、研究打合せ等々を実施して参りましたが、今後に向け、より大きな期待感を抱いて集まる場を創成するなど、当協会の必要性、役割等をいつも強く意識しながら、大胆かつ緻密に活動して参ります。

まだ構想段階ではありますが、各自治体等の実情を踏まえた具体的な将来像を描き、地の利ばかりでなく不利までをポジティブに活かした絶対安全安心実現、新基幹産業育成・企業誘致等を提案し、そこに会員の優れた製品や技術を盛り込みながら自治体連携を軸とした製品の社会実装を実現していく試みを開始しつつあります。そのシンボル的な拠点としてミニ展示場を近日中にオープンさせる準備を始めています。ここは会員およびエフワイシー製トレーラーハウス等の関連企業の製品をベースにしたモバイルオフィスと各種シェルターなどの製品設置とを組み合わせた協会研究所を兼ねた常設展示場となります。

さらには、休眠中であった合同会社レスキューブを再構築し、当技術協会関連の製品群の社会実装推進のための企業活動モデル創出のための本格運用に向けてウォームアップを始めました。

減災サステナブル技術協会は、5年目も引続き全力で、国家沈没級のハザードから日本を、そして地球を救うべく、最大限の英知と努力を以てスマートかつスピーディーに活動を展開して参ります。5周年を目標に、絶対安全安心空間の開発・社会実装等々に向けた、技術協会組織・運営の充実、公的機関との強固な連携、外部資金の導入、研究開発拠点の設置、製品の評価・認証、各種出版事業等々、鋭意進めましょう。

減災サステナブル技術協会が主役となって、世界各地での災害における人類の連敗を阻止し、その成果を歴史に刻めますように!