4周年記念特設ページ

はじめに

一般社団法人減災サステナブル技術協会は、2022年11月5日をもって設立より4周年を迎えます。4年前は「サステナブル」という言葉も知らない人が多かったのですが、最近は一般の方にも浸透してきているように思います。「減災サステナブル」は、“防災”や“レジリエンス”に加え、 “ハザードを利用するまでのインテリジェントなレベルとサステナビリティとの同時実現までを視野に入れた、より高い次元での防災・減災”を目標としております。当協会は成長途上の団体です。まだまだ皆様からのご指導とご協力を必要としております。今後とも、宜しくお願い申し上げます。

4周年記念事業

減災サステナブル技術アイディアコンペ開催

一般社団法人減災サステナブル技術協会が褒賞する防災・減災×サステナブル大賞にある防災・減災×SDGs賞において、防災・減災に対する既知、既存の技術や手法あるいは理論などにとらわれない自由な発想によるアイデアを競いながら、防災・減災について学ぶことを目的とします。

『減災サステナブル技術』とは、あらゆる科学技術を駆使し、災害の元になる各種の破局的自然現象等を回避、緩和、無害化あるいは利用するための様々な革新的技術のことを意味します。

高知県黒潮町へ津波シェルター寄贈

高知県幡多郡黒潮町には将来発生が危惧されている南海トラフ巨大地震により最大34.4mという日本一高い大津波が襲来すると予想されている町である。同町ではこれに備えるべく、町内各所に「津波避難タワー」が設置され、避難訓練なども頻繁に行われている。しかし、足腰の弱い高齢者や要介護者の避難対策が充分ではなく、100%避難の達成に向けて取り組み中であった。

これを受け「新たな避難方法」のひとつの提案として、当協会の会員企業である㈱ミズノマリン[大阪府豊中市]より津波救命シェルター「+CAL8(タスカルエイト)」を寄贈することとした。

津波救命シェルターの寄贈にあたり、同じく当協会会員であるトレーラーハウスメーカーの㈱エフワイシー[宮城県登米郡]の協力を得て専用台車を開発・製作し、当日は宮城県から乗用車で片道750kmの距離を陸送して届けられた。公園の一角に設置された「専用台車付き+CAL8」は、黒潮町の海岸景観にも違和感なく馴染み、今後は黒潮町として「防災ツーリズム(防災と組み合わせた観光)」の起爆剤として、近隣の学校や施設を廻る計画だと言う。

地元住民に愛されるシンボルとなることを願わずにはいられない。

津波シェルター「+CAL8」
式典状況
記念撮影

建築×サブマリン化事業

2022.10.14 東京都蒲田某マンション 実装第一号工事竣工

「建築×サブマリン化事業」とは、既存の建築物を防水扉や防水板といった防水設備を要所要所に新設し、洪水被害から住民の生活や既存インフラ設備を守る工事計画の事である。その実装第一号となる東京都大田区蒲田の某マンション工事が、10月14日に竣工した。

マンションの多くは電気室を1階ないし地下階に設けているため、浸水すると館内への電気供給が停止し、各所照明は機能せず、生活家電の多くは使用不可となる。地域に関係なくエアコンを必要とする時期に使用できなくなる事は特に大きな問題となる。また、館内のエレベーターも停止することとなり、中・高層階の住民が孤立してしまう危険性が高い。

このマンションは180所帯を越える規模にあり、築16年目に当たる。地下階にある電気室の鋼製扉を防水扉に交換し、加えて地下階入り口となるスロープと階段前に防水板を設置。またエレベーター内部への浸水を防ぐため1階と地下階の入り口に防水板を設置した。直接工事費は約750万円であったが、大規模修繕工事の外構・植栽工事のVE化を図り費用を捻出した。

工事に関し事前に住民にヒアリングを行ったが「是非導入すべき」という意見が多かったことは事実であり、特筆すべき事である。マンション住民からの反対を恐れ、防水設備の実装に踏み込めない管理組合の方には大いに朗報であろう。

地下階電気室前「防水扉」

エレベーター前の「防水板

地下階駐輪場用スロープ前の「防水板」

新事業計画
(合同会社レスキューブ設立)

当協会では、防災部門を事業化する為に新たなる組織「合同会社レスキューブ」を設立した。

合同会社レスキューブでは、まずは下記3つの事業方向性を主軸に展開する計画である。

 1. 建築×サブマリン化事業(洪水対策)

 2. シェルター事業(津波・弾道ミサイル対策、放射性汚染対策等)

 3. モービル×シェルター住宅事業(震災復興対策)

上記はいずれも単発的に開発しているメーカーは存在していた。しかし、核シェルターは洪水に弱く水没してしまうものであったり、反対に津波洪水用シェルターは放射能防御の機能であったり、それらを全て統括する防災の専門家がいなかった。

「防災」とは災害を防ぐことである。一方で「復興」とは元の生活に戻すことである。しかし「減災サステナブル」とは災害エネルギーを利用し、現状よりも高いレベルまで発展させることを目的としている。

『防災・減災をディレクション(監修)する』、それがこのレスキューブの目指すところである。

建築×サブマリン化事業
シェルター事業
モービル×シェルター住宅

終わりに